マンモグラフィとは
乳房X線撮影装置のことです。マンモグラフィを使うと、視触診ではわからなかった小さなしこりも撮影できます。マンモグラフィで発見される乳がんの7割以上が早期がんです(視触診なら4割)。早期がんの場合、10年生存率(乳がんの手術を受けた患者が10年後に生存している場合)は90%以上です。 また、早い段階での発見は、患者の体にとって負担の少ない治療法につながります。
マンモグラフィ検診の有効性
マンモグラフィ検診はアメリカ、ヨーロッパでは、最も一般的で、乳がんによる死亡を減少させる効果が得られています。RCTの結果を見ると、50歳以上の女性では死亡率減少効果が23%と有効性が認められています。
また、1997年に報告されたものには、39~49歳で45%の死亡率が認められたものもあり、技術の進歩に伴い、有効性は更に高まることが予想されます。
日本ではまだ多くは実施されていないため、死亡率を下げる効果は立証されていませんが、マンモグラフィを使った場合、多くの乳がんが早期に発見されていますので、乳がんの死亡率を減らせると予測されます。
放射線被爆による危険について
X線検査ですので放射線被爆がありますが、乳房だけの部分的なもので、骨髄などへの影響はなく、白血病などの発生はありません。
1回の撮影で乳房が受ける放射線の量は、東京からニューヨークへ飛行機で行く時に浴びる自然放射線(宇宙線)の量のほぼ半分です。したがって撮影に伴う危険は、ほとんどないか、あってもきわめて小さいと考えられます。
乳房を圧迫する理由
板と板で挟んで乳房の厚さを均一にすることで、そしきの重なりを少なくし、情報の多い画像を撮影することが出来ます。これは厚いままの乳房では、病変はぼんやりと写ってしまいます。
また、乳房が薄くなることでX線の被曝量を減らすことができます。
マンモグラフィ検査は検査する人とされる人が協力することで、診断価値の高い画像ができます。板と板で挟むのですから痛みを伴います。
しかし、個人差はありますが肩を下げて力を抜き、リラックスすることで、痛みを軽減でき ることが多いようです。
総合保健センターではマンモグラフィ認定資格を持つ女性技師が撮影を行います。